今、思うこと
何か言葉にしようと思うのですがうまくできない。
昨日、日曜日の午後あることがきっかけで私の中で一つになりました。
日曜日は車庫の中を一掃しようと決めていました。
車庫は物置状態。いろいろなものがひしめいている。
片隅に埃だらけ、しかもカビも生え始めている段ボールを発見。
ひな人形を飾ったのはいつの事だろうか・・・
自分では飾った記憶が全くない。
イギリスに来るまでは実家に置いておいたけれど、渡英するときに海を越えてもって来ました。
丁寧に段ボールに収まってガムテープで封印されているように思えて、ずっとずっとそのまま放置。
数年前からは、絶対カビているだろうと、見て見ぬふり。
みんちゃんには申し訳ないけれど小さなミニチュアのお雛様でなんとなく行事気分に浸っていました。
今日はいよいよその箱を開封をしようと決心。
段ボールもガムテープも水分を含んでいてガムテープをはがすと一緒に段ボールまであっけなく崩れていく。
その中から何重にも重ねたティッシュでくるまれた人形や装備品が見えてきた。
いざ、ひな人形を取りだそうと思うけど怖い。

カビていたらどうしようか。
壊れているかもしれない。
こわごわ取り出した最初のひな人形は真っ白な肌に綺麗な着物を着ていてまるで新品だ。

柔らかなティッシュにふんわりと守られていた。
最後に包んだのは紛れもなく私の大好きな人。
人形の間に挟まって出てきた新聞の日付を見ると1983年、30年前。
そんな長い間ひな人形たちは箱の中でひっそりこの日を待っていたんだ。
1983年は母と一緒にすごした最後の年だった。
最後までちゃんと女の子のお祝いをしてくれていたんだ・・・
一つ一つ丁寧に包まれたティッシュに温もりを感じながら人形を大切に取り出していく。
昨日の日曜日はイギリスでは、母の日。
子供たちからカードやプレゼントをもらい特別な朝を迎えました。
そして私はこうして母のやさしさを思い出せたことが母へのプレゼントになったのかなと思います。
思い出の品を目の前で形として見ることができるということはとても感謝すべきことなのだと改めて感じた午後でした。
親が子を想う気持ち、子が親を愛する気持ち。
この2つの気持ちが時間や場所を超えてずっと永遠に一緒であってほしい。
震災によってたくさんの方が最愛の人、大切な思い出、そして住む場所を失い、計り知れない悲しい記憶と現実の中でいま、なお苦しまれていると思うと悲しみに覆われます。
月日と言うのは時にやさしく時に残酷。
時間が人の心をいやしてくれることもありますが、記憶を遠い過去に持ち去ってしまいます。
The Great East Japan Earthquake Press Photo Exhibition←ロンドンではこうした写真展も開催されています。
亡くなられた方々へのご冥福を心よりお祈り申し上げます。
そして1日も早い復興を祈りながらこの日のことを忘れずにできることを探して行きたいと改めて思います。
エリオットゆかり








